愛知県キャンプ協会|キャンプインストラクター&キャンプディレクター育成・資格認定、学びの場としてのキャンプの普及・提供

愛知県キャンプ協会

ご挨拶

愛知県キャンプ協会 会長 平田裕一



時代に応じたキャンプ活動の推進

 日頃より愛知県キャンプ協会の活動にご支援・ご協力を賜り、誠にありがとうございます。
当協会は1983(昭和58)年に設立し、今年34年目を迎えます。これもひとえに会員の皆様のお力添えあっての事と感謝申し上げます。

 歴史をふり返るにあたり『十年一昔』という言葉がありますが、当協会もこれまで10年毎に記念誌を発行してまいりました。これまで三期に亘る30年間について、各々の時期の会長は、記念誌の冒頭で社会情勢を踏まえて愛知県内のキャンプ活動を綴ってきました。

 前会長の舟橋弘氏は、創設から30年間について2014(平成26)年発行の『愛知県キャンプ協会30周年記念誌』の中で、「この30年の間に、キャンプを取り巻く状況も大きく変わりました。いわゆるバブル期以降は、企業レクや青年団活動としてのキャンプは衰退し、オートキャンプに代表される家族や少人数で楽しむキャンプが盛んに行われるようになりました。キャンプ用品が安価で手軽に購入できるようになったのもこの頃です。一方で少子化が進み、子ども会や少年団のキャンプ活動は衰退していきました。(中略)しかし『時代に応じたキャンプ活動』を考えていく必要があります」と記しました。

 経済的な社会情勢により、キャンプ活動を取り巻く環境はこれまで紆余曲折するように変化してきました。
 このことについて、創立10周年時の会長で、当協会創設メンバーの一人である勝瀬幸定氏は、「この10年の社会変革は激しく、ソ連の解体、バブルの崩壊、1,800労働時間と余暇時間増大、学校教育の変革等があげられます。エミエールの『環境が変われば生活がかわり性格が変わる』のとおり、物の尊さから心の豊かさが求められ、欲求にしても創造的欲求、自己表現の欲求、健康指向、自然指向が強く求められるようになってまいりました」(『創立10周年記念誌』、1993(平成5)年発行)と記し、社会的環境の大きな変革が個人、集団の余暇の過ごし方に影響を及ぼし始め、人々の欲求がキャンプ活動を推進する原動力であったと伝えています。

 次の10年間を、当時の会長山本徹氏は、「会員は、設立当時100名足らずでしたが、本年度9月現在では、1,500名に迫る、全国でも上位にランクされる大組織になっています。(中略)一方、愛知県下の公営キャンプ場が、続々と閉鎖されている実態があります。(中略)公営キャンプ場の閉鎖は、全国に誇る学生カウンセラーの活動場所の減少に繋がり、早急な対応が迫られる極めて重要な課題と認識しています」(『愛知県キャンプ協会20周年記念誌』、2003(平成15)年発行)と記しています。会員数が急増する反面、長年に亘るバブル社会の崩壊は、公共事業であったキャンプ場施設の閉鎖や運営方法に変更を促し、キャンプ指導者にとって自らの活動場所や存在意義を再認識させる時期でした。

 協会創設時よりキャンプ活動を取り巻く環境は、その時代の経済的な社会情勢によって変化してきました。
しかし、現在四期目の途中ではありますが、キャンプ活動に影響を及ぼす社会情勢は自然災害の多発による自然への脅威とIT機器の普及、進歩による日常生活の変化、が際立っているように感じます。2011(平成23)年の
東日本大震災以来、日本各地で震度6クラスの地震が頻発し、多くの人たちが一時的な避難生活を余儀なくされています。地震のみならず気候変動による風水害もその一つで、この自然災害時の対応として防災キャンプが、全国で実施されています。その一方で、IT機器の進化は私たちの日常の生活から自動車の運転まで、すべてコンピューターによって管理でき、使用する人が指示を与えるだけで物事を済ませることが可能となってきました。小学生から所持するようになったスマートフォンは、手の上で世界の様々な情報を簡単に取得し、さらに、自らの情報を世界に発信することができ、興味関心を抱いてくれる人々とネット上で交流が図られることが当たり前のようになりました。そのことは現実社会で『お一人様』という言葉で代表される個人指向の生活様式を当たり前のようにしてきました。

 前述した、舟橋氏の『時代に応じたキャンプ活動の思考』とは、キャンプ指導者自身が常に社会の情勢を感じ取り、いま人々が求めていることを追求し具現化するキャンプかもしれません。あるいは、今の時代だからこそ敢えて失ったことを再現し、その場にいくと安心して心休まるキャンプかもしれません。その一方で、ITの普及と指向性の多様化した時代だからこそ、自らのキャンプの目的を明確にし、ネット上で広報することで、その指向にあった人達が選択できるようにすることも現実的でしょう。キャンプ場を持たない個人や集団の指導者が、自らが主宰するキャンプ活動の特徴を知らせていくことで指導依頼を受けていくことも、今後の指導者のあり方かもしれません。しかし、その根底にはこれまでキャンプ指導者として培ってきた活動時の安心、安全に楽しむための確かな知識や技術の基で、活動する人々への関心や配慮、気配りがあってのことと思います。今の日常の生活環境で、そして、日頃利用するキャンプ場や自然環境の中で今一度自らのキャンプ活動やキャンプへの思いをブラッシュアップし当協会の会員自身が活き活きと日常を過ごしていることを周りの人々に広めて頂くことを期待します。