愛知県キャンプ協会|キャンプインストラクター&キャンプディレクター育成・資格認定、学びの場としてのキャンプの普及・提供

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連載コラム

地域防災訓練とキャンプ技術の接点

会長 平田裕一/2018年4月更新

10月末の日本キャンプ協会の研修会で、東京都キャンプ協会が行政の防災活動の一環としてキャンプ技術の実践指導を行った旨の話を聞きました。12月に入り私の住まいの地域で防災訓練が実施され、先の話しの内容を理解するために一般参加しました。

これまでに阪神淡路大震災(平成7年1月)、そして、東日本大震災(平成23年3月)の脅威を直に映像で知るなか、東海地方も30年以内に巨大地震が発生する確率が高いと言われ続けてきました。昨今の災害は、巨大地震のみならず天候の異変による風水害も想定を超えることが多くなり、「線状降水帯」という言葉を天気予報やニュースで耳にする機会が増えました。10月の衆議院選挙日の深夜に私の住まいの近くを流れる河川が氾濫危険水位を超え、深夜1時頃に避難警報が発令されました。たまたま、前日の選挙の開票速報を見ていたから知ったものの、通常であれば寝入っていた時間帯の警報でした。

このような中、防災について「自助・共助・公助」の三助の言葉があり、災害に対して直面する立場や発生からの時間的経過の中でそれぞれの活動が異なることを巨大地震の度に伝えられてきました。今回の地域防災訓練の中の講話や演習においても、まさに災害直後の「自助」が強調された内容となっていました。その一つが、今回の避難場所の小学校に備蓄されている水や食料品、物品の数量の紹介でした。この小学校の児童全員が避難しても1日分が満たされる量ではありませんでした。また、当日の訓練の場所の体育館には大きなヒーターが2台稼働していましたが、寒々とした床に座って講話を聴く人はいませんでした。足腰に不安のある人は体育館に収納された椅子を利用して講話を聴きましたが、それ以外の人は用意された小学校のスリッパを履いて立った状態です。たかが3時間、されど3時間の訓練でしたが立った状態でいることに苦痛を感じる自分を知る機会となりました。

今回の訓練を通じて、災害の状況にもよりますが、自宅で待機できる状況であれば数日を過ごせる分の食料品や水を日常から食べまわしながら備蓄するローリングストック法の実践や、災害情報を共有する基地としての避難施設の利用を学びました。また当日の演習では参加した300名程の住民が地区ごとに4つのグループとなり、「新聞紙を利用したスリッパ作り」、「緊急時に役立つロープワークの習得」、「簡易トイレの作り方・処分のしかた」、そして、「いざという時の防災クイズ」のコーナーをローテション形式で学びました。

私たちが日頃週末に実施するキャンプの技術や手法は、災害時では自助として近隣住民の人達に伝授できる技術であり、さらに共助として真っ先に率先して指導できるものと思います。改めて、自助として日常の生活に活かせるキャンプ技術やノウハウ、物品を確認するとともに、共助として近隣住民の方々と日頃から顔と顔を合わせた共同作業への参加が大切であると思った地域防災訓練でした。


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